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不二家が負け続ける最大の経営ミス

ビジネス

2025年12月29日

相馬一進


こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。


今回は、
「なぜ業界2位に転落? 不二家がダメ経営」の
第4回目です。


このシリーズは、今回が最終回です。


最後に取り上げるのは、
不二家がやらかした最大の経営ミスについてです。


その経営ミスは、
最新のマーケティングを学んでいないと、
絶対に気付けないはずです。


そして、もし気付けないと、
不二家のように売上が伸び悩むことになるでしょう。


あなたの生涯年収が
一桁変わるくらい重要な話なので、
ぜひ最後まで読んでください。


(第1回目~第3回目の記事も、
まだ読んでいない場合は読んでみてください)

 

 

=======================

『なぜ業界2位に転落? 不二家がダメ経営
(第4回目)』
 不二家が負け続ける最大の経営ミス

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まず不二家とシャトレーゼの店舗数は拮抗しています。


国内外を合わせて不二家もシャトレーゼも
約1,000店舗なのでほぼほぼ同じですよね。


しかし、前述したように、
1店舗あたりの売上において、
不二家はシャトレーゼの1/4なんです。


出来杉くんがテストで100点を取っているとしたら、
のび太くんは25点しか取っていない、みたいな感じですねw


では、何がその差を作り出しているんでしょうか?


これ、最新のマーケティングを学んでいる人でないと
わからないと思います。


それが「カテゴリー・エントリー・ポイント」
という概念です。


この新しい概念が出てから、
ポジショニングとかターゲティングといった
古いマーケティング理論がオワコンになりました!


さて、「カテゴリー・エントリー・ポイントって何?」
と思うかもしれません。


このカテゴリーエントリーポイントとは、
「買うシチュエーション」という意味です。


簡単に言えば、「買うシチュエーション」の数が
多ければ多いほど売れるということです。


「なんか、わかるような、わからないような」
という感じですよね。


そこで、不二家とシャトレーゼを比較しながら、
「買うシチュエーション」の数を考えてみましょう。


あなたがもし不二家のケーキを買うとしたら、
どういったシチュエーションでしょうか? 


たとえば、誰かの誕生日とかクリスマスといった、
お祝いごとのときですよね。


では、そういったお祝いごとって、
年間で何回ありますか? 


おそらく1〜2回ではないかと思います。


おっさんの健康診断みたいに頻度が低いですよねw


逆に言うと、お祝いごとがなければ、
不二家のケーキは買ってもらえない。


そんな絶望的な状態なんです。

 

一方で、シャトレーゼについても
「買うシチュエーション」を見ていきましょう。


シャトレーゼのケーキが、
どういったシチュエーションで買ってもらえるか、
わかりますか? 


もちろん、そのうちの1つは
不二家と同じようにお祝いごとのときです。


でも、重要なのはここからです。


シャトレーゼって、お祝いごとに加えて、
さらにいろいろなシチュエーションで買われているんです。


つまり、普段使いされているんですね。


たとえばどういうシチュエーションか、
あなたはわかりますか? 


例をあげると、「今すぐは食べないけれども、
後日甘いものを食べたい」みたいなシチュエーションです。


シャトレーゼって、
冷凍デザートのラインナップが異常に多いんです。


アイスだけで126種類もあり、
さらに冷凍ケーキまであります。


126種類って、ポケモンの種類みたいに多いですよねw


一方、不二家のアイスはたった5種類なので、
かなりのお客さんを取りこぼしていそうだと思いませんか?


あとは、「さっぱりしたデザートが食べたい」
というシチュエーションです。


シャトレーゼって、
和菓子も99種類売っているんですね。


和菓子の種類もポケモンみたいに多いですね。


一方、不二家に置いている和菓子は
どら焼きの1種類だけです。


ドラえもん以外のお客さんを取りこぼしていますよねw


さらには、「みんなでワイワイ食べたい」みたいな
シチュエーションにもシャトレーゼは対応しています。


たとえばシュークリームが10個入りの
大容量パッケージがあります。


一方、不二家にはそういった商品はないため、
ここも取りこぼしています。

ちなみに、シャトレーゼのシュークリームは
1個あたり129円です。


安くないですか? 


不二家のシュークリームは398円なので、
3倍以上値段が違います。


やっぱり、シャトレーゼって、
値段がバグってますよね。


SPAの差が価格の差になっています。


では、ここからは「シャトレーゼにはあるけれど、
不二家にはないもの」を順番に紹介していきます。


まず、「健康的なデザートを食べたい」
というシチュエーションです。


シャトレーゼには、
糖質カットのデザートが12種類ありますが、
不二家にはありません。


あとは、「自分へのご褒美がほしい」
というシチュエーションです。


シャトレーゼには「YATUDOKI」という
高級ラインのデザートがありますが、
不二家にはありません。


「もうやめて、不二家の体力はゼロよw」
と思うかもしれませんが、まだまだ続けます。


ここからがシャトレーゼの真骨頂だからです。


たとえば、「明日の朝食を準備したい」
みたいなシチュエーションです。


シャトレーゼにはパンが9種類、
さらには冷凍ピザや冷凍カレーまであります。


一方、不二家にはありません。


また、「お酒が飲みたい」というシチュエーションです。


シャトレーゼには19種類のワインがありますが、
不二家にはありません。


「もう不二家フルボッコ」でしょ?(笑)


とどめに、「お酒のお供が欲しい」
というシチュエーションです。


シャトレーゼには、
スモークチーズやおかきなどがありますが、
不二家にはありません。

 

こう見てみると、
シャトレーゼってなんでもあるでしょ!


シャトレーゼだけで、
1か月くらい生活できそうですよね?


一方、不二家はいろいろなシチュエーションで
お客さんを取りこぼしていることがわかります。


こういった、
「買ってもらえるシチュエーション」の数の違いが、
1店舗あたりの売上が4倍違う原因になっているわけです。


普段使いしてもらっているか、いないかの差です。


大きすぎる差だと思いませんか? 


もしかしたら、不二家は古いマーケティングを
実行してしまっているのかもしれません。


つまり、「お祝いごとのケーキと言えば、
不二家である」というポジショニングに
しがみついている可能性があります。


あなたもそう感じませんか?


でも、このポジショニング理論は古い理論で、
オワコンなんですよ。


1969年に提唱されたものなので、
56年も前の理論です。


もはや古文書でしょ?


最新のマーケティングでは、
「買ってもらえるシチュエーション」の数を
増やすことのほうが重要だということがわかっています。


そのエビデンス(科学的根拠)となる
南オーストラリア大学の論文を紹介します。


興味があれば読んでみてください。


Brand attributes – ‘distribution outlets’ in the mind
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/1352726032000088896


ともかく、今後、
不二家が売上を伸ばしていくためには
どうすればいいのでしょうか? 


あなたにもわかりましたよね?


それは、普段使いしてもらえるようになる必要が
あるということです。


お祝いごとという、年に数回しかないような
シチュエーションにこだわっているとしたら、
1店舗あたりの売上は低いままになります。


これじゃヤバいでしょ?


普段使いへの対応の遅れが、
最新のマーケティングの観点からみた、
不二家の最大の経営ミスです。

 

今回は、
不二屋は今もいろいろな経営ミスをし続けていて、
今後もシャトレーゼに引き離され続けるだろう、
という話をしました。


ノスタルジーに浸るつもりはないのですが、
私は不二家のことが懐かしくて好きなので、
何とか頑張って欲しいなと思います。


あなたも、そう感じていませんか?


不二家って、
ショートケーキやクリスマスケーキの発明など、
とても革新的なことをしてきた企業です。


ですので、まだまだできるはずです。


また、前述した通り、
不二家は古いマーケティング理論を実践しているように
私には見えます。


だとしたら、相当やばいと思いませんか? 


もし、新しいマーケティングを実践すれば、
今からでも不二家の売上は上がるはずです。


それを期待したいですね。

 

さて、最後に、
これまで4回にわたって解説してきた、
このシリーズの内容を簡単にまとめます。


不二家の最大の経営ミスは、
「普段使いへの対応が遅れたこと」であると、
この記事では説明しました。


この経営ミスは何が原因だったとあなたは思いますか?


それは、かつての成功体験が
あまりにも偉大だったことです。


「どういう意味?」って思いますよね。


不二家は、ショートケーキやクリスマスケーキなどを
発明して、日本の食文化に革命を起こしました。


これは本当に偉大な功績です。


「お祝いごとのケーキと言えば不二家」という、
圧倒的なブランドを築き上げました。


もう、すごすぎるでしょ?


しかし、だからこそ、
「お祝いごとのケーキ」を売るビジネスに
安住してしまったのでしょう。


放っておいても、ケーキを求めて
お客さんが来る状態になっていたからです。


でも、最近の日本人はお祝いごと以外にも、
普段からコンビニなどで
ケーキを買って食べるようになってきましたよね?


こんな食文化になったのは不二家の功績です。


でも、他ならぬ不二家自身が
この食文化の変化を過小評価していたのかもしれません。


だからこそ、普段使いへの対応が
遅れてしまったのでしょう。


一般的に、成功体験が大きければ大きいほど、
安住した場所から抜け出すのに勇気がいるものです。


これはあなたもイメージできるでしょ? 


ビジネスの世界では「失敗は成功のもと」ですが、
同時に「成功は失敗のもと」でもあるんです。


要するに、不二家の最大の成功は
「お祝いごとのケーキとしてのブランド」です。


それが、「普段使いへの対応の遅れ」という
失敗をもたらしたのです。


そう考えると、皮肉ですよね。


さて、私は不二家は名前の通り、
「2つとない、偉大な会社」だと信じています。


だからこそ、まだまだ頑張ってもらいたいものですね。


=======================   

「なぜ業界2位に転落? 不二家がダメ経営」の
第4回目は以上です。


これで、このシリーズは終わりです。


ぜひ不二家の失敗を教訓にして、
あなたのビジネスを大きく成長させてください。

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相馬一進【集客に特化した起業支援コンサルタント】 大学卒業後、松坂屋に入社する。その後、退社して起業するが、11業種で失敗。「起業成功のカギは集客にある」と悟り、企業の集客支援を始める。ダライ・ラマ14世や、スティーブン・R.コヴィー博士、リチャード・ブランソン、有森裕子などの講演会の集客を次々と成功させ、1億円超の売上を達成。現在は、起業や集客支援のセミナーを不定期で開催しており、クライアントは200業種以上。世界で上位2%のIQ所有者のみが入会できるMENSAの会員。

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