
こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
前回から、
「なぜ業界2位に転落? 不二家がダメ経営」
というシリーズ形式の記事を書いています。
第1回目の前回は、不二家の歴史と共に、
ビジネスを大きく成長させてきた2つの理由を
お伝えしました。
もしまだ読んでいない場合は、
ぜひ前回の記事を読んでみてください。
フランチャイズの先駆けとして
日本中に店舗を拡大した不二家ですが、
数多くの経営ミスによって、次第に業績不振に陥ります。
その結果、2021年にシャトレーゼに売上で抜かれ、
業界2位に転落したのです。
今回は、不二家の転落を招いた
歴史に名を残す不祥事と、
失敗から得られる教訓について解説します。
不二家の誤った経営判断は、
実は多くの経営者がやってしまいがちなミスです。
ぜひ最後まで読んで、不二家から学べる教訓を
あなたのビジネスに活かしてください。
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『 なぜ業界2位に転落? 不二家がダメ経営
(第2回目)』
不二家の大炎上のエグすぎる真相
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さて、「不二家が倒産するかも」とまで言われた
不祥事が2007年に起こります。
当時のことをあなたは覚えていますか?
まず、2007年1月10日に不二家の社員から
報道機関に対して内部告発がありました。
その告発によって、「使用期限が切れた牛乳を、
シュークリームの製造の時に使用していたこと」が
明らかになりました。
しかもこれは1回や2回ではありません。
2006年に合計8回もやっていたんです。
あきらかに常習犯ですよねw
とは言っても、「ちょっとぐらい
使用期限が切れても、大丈夫なんじゃないの?」
と思う人がいるかもしれません。
たしかに、賞味期限をちょっと過ぎた牛乳を飲んでも、
私たちは意外とお腹を壊しませんよね?
ですが、不二家はそんな
甘っちょろいレベルじゃなかったんです。
だって、不二家のケーキを食べた消費者から、
腹痛や嘔吐などの健康被害を訴える苦情が
何件も何件も寄せられていたからです。
「いやいや、どんだけ古い牛乳を使ったんだよ!」
って思いませんか?
報告書によれば、
不二家の社員は、こう証言しています。
「使いきれなかったらニオイを嗅いで
問題ないと判断したら使ってる。
捨てたら怒られるし。」と。
そのため、この翌日の1月11日に
社長が緊急で釈明会見を開いたんです。
そして、シュークリームだけでなく、
アップルパイやプリンやシューロールなどでも
同様の問題が起きていたことを公表しました。
そして、やばいのはここからです。
なんと、厚労省の定めたガイドラインの
10倍を超す細菌が検出されたんです。
このことに対して、
不二家の役員はどう釈明したか、知っていますか?
「余程身体の弱い、病弱な幼児などが
少しお腹を壊す程度です」と。
信じられますか?
ありえないよね?
この発言をした役員は、
絶対にサイコパスでしょ!
自分の子供には食べさせないけれど、
お客さんには食中毒ケーキを食べさせるタイプに見えます。
ともかく、この役員の発言は
第三者委員会の報告書に載っているので、
間違いなく事実です。
この報告書のURLは概要欄に貼っておきますので、
興味があれば読んでみてください。
https://www.fujiya-peko.co.jp/company/ir/pdf/assembly_20070419_01.pdf
その結果、メディアは連日連日、
不二家のひどいニュースを取り上げ続けました。
なぜなら、過去の不祥事が後から後から
いくらでも出てくるからです。
「いや、まだあるんかい!」って、
ツッコミが追いつかないレベルでした。
悪い意味で、伝説です(笑)
たとえば、2007年年1月19日の
読売新聞の記事を紹介しましょう。
記事によると、不二家のチョコレート製品に
蛾の卵と生きた幼虫が混入していて、
それが消費者にまで届いていたんです。
生きたままですよ?
幼虫ガチャのチョコレートです。
チョコレートのロシアンルーレットと
言ってもいいかもしれないw
「死んでいるならまだしも、生きた幼虫が
なんで混入したの?」って思いますよね。
なんと、不二家の工場内で
チョコレートに蛾が卵を産んで、
それがチョコレートの中でふ化していたんです。
つまり、不二家の工場は、蛾の養殖場だったんです。
蛾の異物混入が社内で明らかになったとき、
不二家はどんな対応をしたとあなたは思いますか?
自主回収でしょうか?
保健所に
報告でしょうか?
いいえ、違います。
だーかーらー、役員にサイコパスがいたことを
思い出してくださいね。
答えは、役員たちが握りつぶしました。
つまり、製品の自主回収もせず、
保健所に報告もしなかったんです。
もうサイコパス確定ですよね!
こんな感じで、不二家では異物混入が
年間1,700件も「お客さんから」報告されていたそうです。
1,700件ってことは、
1日平均5件以上の異物混入ガチャですよ!
なのに、サイコパスな役員たちは
隠蔽を指示していたのです。
そして、極めつけはここからです。
不二家の工場はネズミまみれで、
485匹も捕獲していたことも報道されました。
蛾はともかく、
ネズミはドン引きしませんか?
しかも、数がえぐい!
いいですか、捕獲できたのが485匹ですよ?
ということは、ここからは私の予想ですが、
実際には1,000匹以上のネズミが
いたんじゃないかと思います。
そう思いませんか?
不二家工場 実はネズミ485匹(エキサイトブログ)
https://afnews.exblog.jp/4631181/
これは新聞で報道された写真なので、
白黒でちょっと見にくいんですが、
この棒グラフの意味、あなたはわかりますか?
これは部外秘として、
不二家の社員が作ったグラフです。
この棒が何を表しているか、わかりますか?
「埼玉工場のネズミ捕獲実績」と
白い字で書いてあります。
いやいやいや、企業が毎月の「売上」を
棒グラフにするならわかりますよ。
でも不二家は、「毎月のネズミ捕獲数」を
棒グラフにしているんですよ。
ドン引きですよね。
毎月のネズミの捕獲数をグラフにしていいのは、
ネズミの駆除業者だけでしょ!
こういったことが毎日毎日報道されたんです。
最終的に藤井林太郎社長は
一連の問題の責任を取り辞任しました。
当たり前でしょ!w
さらに不二家単独では立て直しは困難ということで、
山崎製パンの子会社になったんですね。
私たちがこの不二家の経営から学ぶことは、
「どんなに不都合なことだったとしても、
問題を直視しなければいけない」ということです。
もし現実逃避をしていたら、
その問題はどんどん大きくなってしまうからです。
「たられば」ですが、
もし不二家の上層部が早い段階から問題を直視して、
手を打っていたらどうなっていたでしょうか?
恐らく、ここまでの大炎上には
ならなかったはずです。
不二家は、この一連の不祥事を受けて、
新聞に謝罪広告を出しました。
「新しい不二家に生まれ変わります」と。
さて、不二家は本当に
生まれ変わったのでしょうか?
次回は、その答えを紹介しますね。
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「なぜ業界2位に転落? 不二家がダメ経営」の
第2回目でした。
次回も、楽しみにしていてください。




















