
こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
今回は、
「なぜ業界2位に転落? 不二家がダメ経営」の
第3回目です。
第1回目と第2回目では、
不二家の成長と転落についてお伝えしてきました。
不二家は、日本にケーキを食べる文化を作り
急成長しましたが、ずさんな品質管理が露呈した結果、
山崎製パンの子会社になったという話でしたね。
さて、不二家は山崎製パンの傘下に入って
立て直せたのでしょうか?
結論から言うと、立て直せました。
山崎製パンが安全管理のアドバイスをすることで、
ほとんど不祥事が起きなくなったからです。
しかし、立て直している間に
急成長してきたシャトレーゼに売上で抜かれ、
2021年には業界2位に転落してしまいます。
なぜ、不二家は
ケーキ屋チェーンとして歴史が浅いシャトレーゼに
抜かれてしまったのでしょうか?
第3回目では、
不二家がシャトレーゼに負けた理由ついて
具体的にご紹介していきます。
あなたも、不二家と同じ失敗をしないためにも
ぜひこの記事を最後まで読んでください。
(第1回目と第2回目の記事も、
まだ読んでいない場合は読んでみてください)
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『 なぜ業界2位に転落? 不二家がダメ経営
(第3回目)』
不二家 シャトレーゼに完敗の真相
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さて、ここからは少し
シャトレーゼの話をさせてください。
なぜなら、不二家とシャトレーゼの
ビジネスのやり方を比較すると、
不二家のしくじりがより理解できるからです。
出来杉くんとのび太くんを、
比較するようなものです。
もちろん、不二家はのび太くんですw
まず、あなたはシャトレーゼのケーキなどを
食べたことがありますか?
私はありますが、一言で言うと
「価格がバグってる」んですよね。
意味わかります?
めちゃめちゃ安いのに、
信じられないくらい美味しいんですよ。
控えめに言って、全商品が神コスパなんです!
ちなみに私は、焼きたてのアップルパイが好きですw
ぶっちゃけ、シャトレーゼのアップルパイは
価格が2倍になったとしても、
「買ってもいいかな」と思えるんです。
なぜだかわかりますか?
とんでもなく原価率が高いからです。
原価率とは、売値に占める原価の割合ですね。
なぜ、高い原価率でも
シャトレーゼは利益を出せるのか、
理由がわかりますか?
それは、シャトレーゼは、ケーキ屋版のサイゼリヤ、
またはケーキ屋版のはま寿司だからです。
この意味、わかりますか?
シャトレーゼ、サイゼリヤ、はま寿司の3つは、
それぞれ異なる飲食業ですが、
ビジネスモデルはそっくりです。
ザ・たっちみたいに似てますw
SPA(製造小売業)と呼ばれるのですが、
「食材調達も、加工も、販売も
すべて自社でおこなうビジネスモデル」なんです。
「なんか、今一つピンと来ないな」と
感じると思うので、例をあげて解説しますね。
サイゼリヤもはま寿司も、
他社任せではなく、自社で食材を調達しています。
サイゼリヤは自社の農場で野菜を作っていますし、
はま寿司は世界中の漁港から
魚介を自社で直接調達しています。
さらに、それを自社の工場だけで加工することで
余計なコストを極限までカットしているんです。
「そこまでしてるの!」ってびっくりですよね?
そして、コストをカットした分だけ
商品を値下げすると、原価率が上がるんです。
普通の飲食店の原価率は3割のところ、
サイゼリヤの原価率は4割弱と高いです。
はま寿司にいたっては原価率がなんと5割です。
もう半端ないでしょ?
どちらも原価ジャブジャブだから、
安いのに美味しいんです。
シャトレーゼも同じです。
契約農家と連携して、
卵・牛乳・フルーツなどの主な食材を
自社で直接仕入れています。
そして、自社の工場だけで加工することで、
余計なコストを極限までカットしています。
こうしてコストカットした分だけ、
商品を値下げしているんです。
その結果、シャトレーゼには
原価率が7割の商品さえあるんです。
7割ですよ!
やばいですよね。
ケーキが300円だとしたら、
210円が原価ってことです。
これはシャトレーゼの社長が言っていたことなので
間違いないはずです。
原価ジャブジャブだから、安いのに美味しいのです。
わかりました?
サイゼも、はま寿司も、シャトレーゼも、
同じ勝ちパターンなんですよ。
食材調達も、加工も、販売も
すべて自社でおこなうSPAです。
極限までコストをカットし、
その分だけ値下げするんです。
安いのに美味しければ
口コミやリピーターが増えるというわけです。
ちなみに、私はSPAのことを人間にたとえて
「マッチョモデル」と呼んでいますw
「なんでマッチョ」かわかりますか?
マッチョは、筋肉バキバキにするために、
脂肪を極限まで減らすじゃないですか。
SPAも原価ジャブジャブにするために、
コストを極限まで減らすからです。
だから、サイゼはイタリアンマッチョで、
はま寿司は寿司マッチョで、
シャトレーゼはケーキマッチョというわけです(笑)
シャトレーゼの話が続いたので、
不二家の話に戻しましょう。
ここまで聞いて、
あなたはこう思うかもしれません。
「不二家はSPAをしていないの?」と。
はい。
ここが不二家の経営のミスの1つなんですね。
ここを変えない限り、
不二家はシャトレーゼに負け続けます。
だって、不二家はマッチョどころか、
メタボでぶよぶよだからです。
まず不二家は基本的に、
自社で食材調達はしていません。
つまり、外部の会社から調達しているので、
ここで余計なコストが発生しています。
また不二家の場合、社外の工場に
製造を一部委託していると思われる証拠があります。
2024年の不二家のレポートに
その旨が書いてあるからです。
少なくともネクターなどは外部で製造しています。
すると、ここでも余計なコストが発生します。
こういった余計なコストがあるせいで、
不二家はそこまで値下げできません。
だから、値段がそこまで安くないのに、
あまり美味しくないんですよ。
「不二家はメタボでぶよぶよ」と言った意味が
わかりましたか?
ケーキメタボですw
この状態を変えない限り、不二家はシャトレーゼに
フルボッコにされ続けるでしょう。
なぜだかわかりますか?
飲食業って、基本的に年商が高くなればなるほど、
「あらゆるコストを極限まで下げて、
値下げする企業が勝つ」からです。
マッチョは生き残り、メタボは死ぬんです。
少なくとも、
不二家とシャトレーゼのケーキを両方食べた人は、
「今後は絶対にシャトレーゼで買おう」と
思うはずです。
少なくとも、私はそうです。
「えっ、そこまで言うの!」と
あなたは思うかもしれません。
でも、同じような商品で、
両社の価格を比べてみてください。
不二家のスフレチーズケーキは540円、
シャトレーゼのなめらかスフレチーズケーキは
302円です。
大きさは多少違うと思いますが、
値段だけで比較すると、
不二家はシャトレーゼより78%も高いのです。
不二家、高すぎでしょ?
また、味は好みもありますが、
シャトレーゼの方がずっと美味しいと私は思います。
値段は高いのに美味しくなければ、
不二家のケーキを買わなくなりますよね。
私の知人で、「今後は不二家で買わないと思う」
と言っている人さえいます。
その気持ち、わからなくもないでしょ?
ですが、SPAがあまりできていないこと以外に、
不二家の大きな経営ミスはもう1つあります。
というか、実はこれが不二家「最大の」経営ミスです。
このミスをしているせいで、1店舗あたりの売上が、
不二家はシャトレーゼの1/4なのです。
1/4ですよ、1/4!
だから、創業が44年も遅いシャトレーゼに、
不二家は抜かれてしまったのです。
この経営ミスは、
最新のマーケティングをあなたが学んでいないと、
絶対に気付けないはずです。
そして、もし気付けないと、
不二家のように売上が伸び悩むかもしれません。
次回は、その不二家最大の経営ミスを紹介しましょう。
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「なぜ業界2位に転落? 不二家がダメ経営」の
第3回目は以上です。
次回も、あなたが安定した売上を上げるために
必見の内容なので、ぜひ見逃さないようにしてください。




















